便潜血検査は、便に血が混じっているかを調べる検査です。
出血していない癌やポリープでは、見逃されることがあります。
つまり、便潜血反応は、”万能な検査ではない”ということを認識していただく必要があります。
便潜血反応陰性大腸癌は、多く論文報告されています。
- 便潜血陰性であったにもかかわらず、大腸癌患者の36%が見逃されている。
- 上行結腸癌は便に血液が混ざりにくく、特に見逃されやすい。
- 検体提出の遅れにより、本来は陽性となるはずの出血が反応しない「偽陰性」も確認されている。
「陰性=安心」とは限らないのが現実です。
<症例1>
腹痛精査のため、大腸カメラ検査を施行した中年、男性。
毎年、便潜血反応は陰性。
排便トラブルはないが、右側腹部痛があり、検査をすることとなりました。

上行結腸に1/4周性のtype2腫瘍を認めます。

表面構造は高度不整、癌の特徴を示しています。

患者の強い希望もあり、粘膜下層剥離術をこころみましたが、やはり、癌の筋層浸潤を認め、内視鏡治療は撤退し、外科手術の方針としております。
<症例2>
便秘を主訴に大腸検査をした70歳代の女性。
毎年、便潜血反応陰性。


S状結腸のひだ裏に局在するため、腫瘍の全体像を正面視することができない病変です。内視鏡の接触による出血を認めます。
もちろん外科的切除の方針としております。
当院では、今年1年間で、2例の便潜血反応陰性大腸癌を経験しております。
今回のように陰性でも大腸癌が隠れていることがありますし、毎年、経験しております。
以下の条件がある方は、便潜血反応陰性であっても、一度大腸内視鏡検査を受けてみることをおすすめします。
①腹部症状や便通異常
②家族歴に大腸ポリープや大腸癌がある
③40歳以上