当院は、消化器内科・内視鏡内科を専門領域として標榜しております。
消化器疾患は放置しておくと 、癌に発展する可能性がゼロではありません。
消化器癌の初期は自覚症状がありませんが、早期発見するには、ささいな消化器症状の変化を見逃さないことが重要となります。
1 人工知能搭載 内視鏡検査
当院では、内視鏡検査中にリアルタイムでポリープや腫瘍を高精度に判別するシステムを導入しております(Endo-Brain)。
◆リアルタイム診断支援
ポリープ・癌を検出すると、リアルタイムに音と画面上の色で警告。
◆高精度の診断支援
大腸病変の検出において感度96.3%、特異度93.7%の診断支援精度を実現。
精度の高い内視鏡検査を地域の皆様に提供しております。
2 眠りながらの内視鏡検査(無痛内視鏡の実現)
鎮静剤を使用することで、眠った状態で検査を受ける事が出来ます。その結果、苦痛を軽減して検査することが可能です。ひだの隙間も含め、入念に観察することが出来るため、検査の品質が向上(見逃すことがなくなります)します。
また、最新の内視鏡設備をご用意しております。専門医による安全で正確な検査を提供いたします。なお、当日運転は禁止となっております。
左の写真は非鎮静下内視鏡画像(眠らずに行う)、右の写真は鎮静下内視鏡画像(眠って行う)です。非鎮静下内視鏡では青枠で示す領域が、送気不十分(嘔吐反射など)により観察不十分となってしまった領域です。このような状況で観察すると、見逃す病変が出てきます 。
3 新しい高性能な拡大内視鏡による早期発見
進行癌になる前に発見する、すなわち、早期癌の段階で発見するためには、“高画質の内視鏡”を使用することが内視鏡医の理想だと思います。当院で採用している拡大内視鏡は、通常内視鏡と比較して、約80倍の倍率で観察ができます。そのため、病変が“癌なのか”“癌ではないのか”をその場で判定することが可能です。不必要な生検も回避できます。
自験例1
経鼻内視鏡で黄色枠の早期胃癌(約2cm)が見つかり、内視鏡治療を目的に拡大内視鏡を行いました。ピンク色枠に2mm大の早期胃癌(微小な別の病変)を治療前に見つけることができた一例です。
当院院長は10年以上拡大内視鏡とその病理像の研究をしており、特に力を入れている領域としております。竹田綜合病院勤務の3年間でも多くの微小癌を発見し、治療した実績が多くあります。
自験例2
胃部不快感を主訴に内視鏡検査を施行。胃に異常は見つかりませんでしたが、偶然食道に2mmの食道癌がみつかりました。この癌の大きさだと、通常のカメラでは見逃されることが多いです。80倍にあげて観察できる点が、微小癌を見つける上で、拡大内視鏡の強みと言われています。
4 極細の新しい高画質経鼻内視鏡によるスクリーニング
経鼻内視鏡は苦しくない検査のために開発された内視鏡です。通常の胃カメラ(約10mm)の約半分の太さ(約5mm)です。嘔吐反射の発生機序は舌根(舌の付け根)刺激によるものですが、経鼻内視鏡では舌根部を刺激しにくい通路で食道へ挿入します。そのため、検査が楽で、検査中に内視鏡施行医と会話することも可能です。
“カメラの細さ”を優先して開発したために、“従来の経鼻内視鏡”では、経口内視鏡カメラと比較し、画質が劣ります。
“最新の経鼻内視鏡”(オリンパス社、GIF1200N)は、経口内視鏡と同等の画質を実現したカメラであり、当院では採用しております。
▼従来の経鼻内視鏡
▼新しい経鼻内視鏡
新しい経鼻内視鏡では、通常光観察で、癌の微細構造が画素の差で明瞭にみえます。
▼従来の経鼻内視鏡
▼新しい経鼻内視鏡
NBIモード(画像強調)では、“癌の茶色”と“周辺の非癌粘膜の緑色”の“色差”が目立つようになります。
5 日帰り大腸ポリープ切除について
大腸癌のもととなる、大腸ポリープを検査したその場で切除が可能です。
早めのポリープ切除が、大腸癌の発生を防ぎます。病変に応じて、一番適切なテクニックでポリープを切除します。
(A) 4mm以下の微小ポリープには、大きめの生検鉗子を用いたcold forceps polypectomy (CFP)
(B) 10mm以下には、水浸下(ポリープが浮くため、スネアをかけやすくする)にスネアをポリープに引っかけて切除します。 (underwater cold snare polypectomy;CSP)
(C) 茎の長いポリープ(切除後大出血をしやすいため)には、留置スネアでポリープ基部を締め上げて、切除する。
血液の供給が無くなり、酸欠状態となります。その結果、ポリープは黒色に変化します。
▼留置スネア
▼切除イメージ図
(D) 10mm以上または大腸癌疑いの場合、EMRを行う。
1. ポリープの下に生理食塩水を注入します。
2. スネア(輪状の電気メス)をかけます。
3. 通電を行いながら、スネアを絞り上げて切除します。
4. クリップ(体に無害)で創部縫縮します。
※大腸ポリープの切除では、基本的に無痛です。
※抗血栓薬1剤は休薬の上切除できます。他剤併用の場合は高次医療機関へ紹介します。
【合併症】
治療後に出血するリスクがあります。約100人に1人程度の頻度です。
切除の当日から7日間は飲酒や、激しい運動、長時間の入浴は控えて下さい。