急性虫垂炎の初期をエコーで診断しえた一例

急性虫垂炎の初期は、胃の不快感から始まることが多く、その数時間後には右下腹部に移行し、発熱を呈することが典型的な経過とされています。

今回は、心窩部不快感で受診された患者に対して、エコーを用いて急性虫垂炎を診断した一例です。

右下腹部には、プロラプス バウヒン(バウヒン弁は時に大腸に突出しています)を認めます。

一般に、虫垂の描出はされないことが多いですが、腫大した虫垂が見えた時点で虫垂炎の診断につながることが多いとされています。

今回の症例は、8mmと腫大を認めますが、周囲の脂肪組織に炎症の波及はなく、発症初期と考えられます。

CT検査のできないクリニック・医院レベルでも、鑑別診断をしっかり念頭におき、詳細にエコーを観察すると

確定診断まで至ることができます。