便が細くなってきたと聞くと、大腸がんが隠れているかも・・・と私達専門医は考えます。
大腸ポリープの大きさと腸管内の広さを比較すると、その比率は非常に小さく、便が細くなるといった病態はおこりえないです。
しかし、直腸〜肛門付近においては、腸の内腔の広さは狭く、ポリープによる便の狭小化はおこりうる病態となります。
肛門からはいってすぐのポリープにより、便の狭小化がみられた1例を提示します。
①大腸カメラを肛門にいれると、狭い腸管内腔に対して、占める割合の大きいポリープを認めます。
②カメラを反転させて、肛門の裏を観察してみると、垂直方向と水平方向に広がるポリープであることがわかります。
③電気メスできれいに切除し、創部をクリップで閉鎖します。