十二指腸幽門腺型腺腫をunderwaterEMRで切除した一例

十二指腸において、内視鏡的切除が必要な病変は以下の病変があります。

①幽門腺型腺腫

②腸型腺腫:underwater EMR, ESD

③乳頭部腫瘍:パピレクトミー

十二指腸球部(入口)に、隆起+中心陥凹病変を認めます。粘液産生も多く、いわゆる幽門腺型腺腫として矛盾しない所見です。

拡大観察で、岩手医大の先生方が命名したPine cone Pattern(まつぼっくりのようにみえるため)を認めます。

局注せずに、水浸下(十二指腸に水をためて)にスネアをかけて通電切除します。

これは、腫瘍の浮力を利用する技術です。Under water EMRと呼ばれる治療法です。

切除後創部はこのように、目視で腫瘍の遺残なしを確認します。

医療用のクリップ(いつの日かはずれます)で創部処理し終了となります。切除からクリップまで2分程度で終了となります。

私の場合、必ず自身で切除した病変の内視鏡像(マクロ)と病理(ミクロ)を対比しております。

これは、岩手医大大学院時代の菅井教授や永塚先生の教えでもあります。継続して12年。今では、見た目で病理像が想定できるまでになりました。この作業は、開業後も、病理検体を取り寄せて、対比しつづけています。

HE染色の弱拡大と強拡大です。

幽門腺型腺腫として矛盾しない所見です。陥凹が強い領域は、線維性間質が目立つための変化のようです。(ピンクに染まる筋状の変化)

腺窩上皮のマーカーであるMuc5Ac染色です。この病変は、内視鏡観察ではほとんど、松ぼっくり構造で被覆されているため、当然ほとんどの領域で、Muc5Acも陽性となります。

固有腺マーカーであるMuc6染色です。

内視鏡観察で、まつぼっくりにみえない領域(ピンク領域)に関して。

Muc6陽性細胞が混在すると、脳回状の見た目となります。論文化していませんが、これまでの自身の対比でわかっている現象です。

治療するだけでなく、その病変の本質を理解していくことが重要となります。