疣状胃炎(verrucous gastritis:VG)は、多発する隆起を有する慢性胃炎のことを指します。
”びらん”という言葉でまとめるDrもいますが、びらんと、VGは、区別されるべき病態です。

頂部多量の粘液を産生する隆起を認めます。(2次除菌後)
この患者は、ピロリ菌感染による慢性胃炎が背景です。

3次除菌により、VGが小さくなったように観察されます。
過去に、このVGから7病変の早期胃癌が発生しており、ESDにて切除しました。
今回本人の希望もあり、目視できる範囲のVGをすべて内視鏡で切除する方針となりました。
粘液産生著明なため、内視鏡診断は困難+炎症も高度のため生検診断は適切になされないと判断、内視鏡による切除で診断をつけました。
この方法を、Total biopsyと言います。
その結果、13病変中、3病変で腫瘍の診断となっております。
診断としては、Muc6陽性の幽門腺型腺腫とよばれる病変です。

細胞質が淡明な幽門腺の腫瘍性増殖を認め、その周囲は繊維筋症を認めます。

幽門腺のマーカーであるMuc6は陽性。

癌のマーカーであるp53は陰性(若干染まる陽性細胞もありますが、腫瘍全体の30%が強く染まらない限り、p53陽性とは判断しません)。
VGに関する研究は、ほとんどされていませんが、症例報告では、稀に癌合併例の報告があるようです。
Tsujiらの報告ではGastroenterology Report, Volume 8, Issue 4, August 2020, Pages 293–298
幽門部のVGは、BMIの上昇、逆流性食道炎、およびピロリ菌陰性との関連が認められたと報告している。
本症例のような、多発VGは、ピロリ感染の萎縮と関連しているようです。(とはいえ、ピロリの患者でVGに遭遇する頻度は極めて低い印象です)
高い胃酸度、機械的過負荷、粘膜の脆弱性による生理的現象が原因の可能性があるとまとめている。
いずれにしても、VGをみたら、びらんとして経過観察せずに、すべて生検すべきと判断します。
以前VG23病変から生検し、7病変がGroup5でした。
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当院では
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をかかげ、他の医院ではやらないような様々なテクニックや工夫をしながら、内視鏡業務に励んでおります。
今後も悪性腫瘍早期発見・治療できるよう努めてまいります。
6月から会津若松市の胃癌検診が始まります。ぜひ当院へお越しください。