他院で過去にポリープの指摘あり、今回切除希望で当院を受診されました。

右側結腸(向かって左側の下あたり)にみなれないガス像が観察されます。
腸管内のガスというよりは、嚢状にガスが貯留しているようにみえます。
この時点で腸管嚢腫状気腫(PCI)を疑いましたが、一応ポリープ切除の準備をし、大腸内視鏡検査を施行しました。
レントゲンの右側結腸に一致して、、、


ポリープではなく、多発する嚢胞状病変を認めました。ポリープはなく、観察のみで終了しました。
このPCIという病気は、比較的稀な疾患です。
嚢胞内には窒素などのガスが封じられているとされています。
原因は、
①特発性(基礎疾患なく、原因不明という意味です)と②基礎疾患に続発するもの に大別されます。
②の基礎疾患は
・便秘により、内圧が腸管壁にかかり腸管壁に侵入するパターン
・薬剤(糖尿病薬のベイスン(αGI阻害薬)、抗コリン薬、向精神薬、ステロイド長期内服)による粘膜障害説
・肺疾患に由来するパターン
など多岐にわたります。
自験例では、過去に腹腔内ガスや門脈ガスを併発している症例もあります。
通常なら緊急手術の所見(消化管穿孔や消化管壊死を疑わなければいけない所見)ですが、このPCIによる所見の場合、腹部症状がない場合や検査データに異常がない場合は、経過観察とします。
今回の症例は、特発性です。
また隅々まで探しましたが、ポリープは見つからず、他院指摘のポリープは、このPCIであったと思われます。
仮に切除した場合・・・組織の脆弱性もあることから、消化管穿孔(緊急手術)が想定されます。
本疾患を念頭に置いた内視鏡診療が重要と思われます。