他院で数年前に早期胃癌に対して内視鏡切除(ESD)をした症例です。
創部治癒の過程で、粘膜の下は線維化(硬い組織で置換されます)が起こります。
この病態を瘢痕化と呼びます。
ESDにおいて、最も難易度が高いと呼ばれる病変が、瘢痕上の早期胃癌です。
今回、当院で施行し症例を提示します。

過去に治療した部位にClipが残存しており、そのやや口側に不整な隆起を認めます。

NBIで観察すると、隆起の一部が癌であることを確認し、生検施行しております。
病理の結果は、Group5(癌)で、当院で治療する方針としました。

治療日は、Clipが邪魔になるため、処置具で除去し、電気メスで上図の如くマーキングしました。
全周切開をしても、病変は固く、粘膜下層へ潜り込むことは不可能なため、トラクションデバイスを併用し工夫しました。



このように、テンションを加えることで、少しでも病変と筋層の距離を取ることができ、穿孔(あな)のリスクを回避できます。



このような病変は一般的に、入院管理で、1時間以上かかるとされています。
当院では、高周波(電気メス)の設定を工夫することや、処置具のチョイスなどを見極め、20分程度で終了させることが可能です。
治療時間が早いということは、術者の技術面を反映することと、患者への麻酔や身体的負担の軽減につながります。
早期胃癌で内視鏡治療が必要だけど、入院したくないという方は、当院への紹介していただければ幸いです。