高齢化に伴い、結腸過腸症・過拡張の患者(腸が長くなる病態)が増えているように感じます。
また、刺激性下剤の乱用も拍車をかけているように思えます。
S 状結腸軸捻転症は良性大腸閉塞の原因として最も多く、発症からの時間経過により腸管壊死や穿孔をきたす可能性があります。
そのため、迅速な診断・治療を要する疾患です。
腸管壊死を示唆する所見がある場合は緊急手術が必要となります。
基本的には、緊急で内視鏡をし、ねじれた部位を元通りに戻すことが可能ですが、何度も繰り返すことがあります。
その場合、耐術能があれば、手術をしていただいております。


S状結腸で管腔が広がらなくなり、渦巻き状にねじれていることがわかると思います。

少し奥にねじ込んでいくと、粘膜の色が変わっており、虚血傾向にあることがわかります。
腸が仮に壊死していると、緑がかったブロンズ様の粘膜が観察されるため、その場合は緊急手術にまわします。

捻転部位を突破すると、口側は過拡張を起こしております。
その後は、内視鏡テクニックを使い、ねじれた部位を直線化して終了します。
最近当院では、便秘+腹痛+腹部膨満で受診される高齢者が多く、即日、大腸捻転解除術を施行しております。
訴えが少ない高齢者もいますので、ご家族の方で、”いつもとお腹お状態が違う”と感じたら、是非当院へお越しください。
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