当院では胃がんの日帰りESDを、よく行っております。
たいてい約10分以内に完全摘出可能です(自院症例は自院で行っていますので、症例を選んで行っているわけではありません)。早期合併症・晩期合併症は今のところ過去3年0%と安全な成績を残しております。
今回は、瘢痕上(過去に他院にESDを施行されている方)に発生したい癌のため、病変の直下は、繊維化と呼ばれる変化を起こしており、筋層と粘膜の間にスペースが無くなり、固くなる減少が起きます。
このような状況では、切除ラインが不明瞭となり、筋層切開➔胃壁穿孔を起こしうる病態が予想されます。
当院では、牽引クリップを独自で作り、病変にトラクションをかけることで、病変を切除可能な状態にもっていくテクニックを行っております。
瘢痕症例は、だいたい30分以内に切除完了します。


前庭部前壁に易出血領域を認めます。

拡大観察で癌血管を全周性に視認できます。やはり、癌部:茶色、非癌部:緑色として観察されます。

水浸下に、電気メスでマーキングを丁寧に行います。

硬そうな瘢痕近傍に癌があることが、みてとれると思います。

局所注射を粘膜下に施行し、電気メスで全集切開を行います。

瘢痕近傍は全く視野確保がとれないため、独自で作った糸付きクリップで、病変を牽引し、切除ラインを視認しやすくします。

約30分で胃がんの切除完了しております。

※このトラクションデバイスは、もともと既成の商品はありますが、値段が高いので、当院では自分たちで作っています。
当院では、どんな困難症例でも、様々な工夫・器具・経験を活かし、早期胃癌の根治術を行っております。
1施設で癌の根治術を完結できるクリニックは全国的にも少ないです。
胃がん検診・定期内視鏡の検査を受けたい方は、是非当院へお越しください。
#苦しくない内視鏡