瘢痕近傍に発生した早期胃癌を糸付きクリップを利用して切除した一例。

当院では胃がんの日帰りESDを、よく行っております。

今回は、瘢痕上(過去に他院にESDを施行されている方)に発生したい癌のため、病変の直下は、繊維化と呼ばれる変化を起こしており、筋層と粘膜の間にスペースが無くなり、固くなる減少が起きます。

このような状況では、切除ラインが不明瞭となり、筋層切開➔胃壁穿孔を起こしうる病態が予想されます。

当院では、牽引クリップを独自で作り、病変にトラクションをかけることで、病変を切除可能な状態にもっていくテクニックを行っております。

前庭部前壁に易出血領域を認めます。

拡大観察で癌血管を全周性に視認できます。やはり、癌部:茶色、非癌部:緑色として観察されます。

水浸下に、電気メスでマーキングを丁寧に行います。

硬そうな瘢痕近傍に癌があることが、みてとれると思います。

局所注射を粘膜下に施行し、電気メスで全集切開を行います。

瘢痕近傍は全く視野確保がとれないため、独自で作った糸付きクリップで、病変を牽引し、切除ラインを視認しやすくします。

約30分で胃がんの切除完了しております。

※このトラクションデバイスは、もともと既成の商品はありますが、値段が高いので、当院では自分たちで作っています。

#苦しくない内視鏡