膵臓癌ときくと、予後不良・発見したときにはもう手遅れ・・・などのお話を聞いたことがあるかと思います。
初診時の診断確定の時点で、80%の確率で手術不能な状態で見つかります。
※ 腫瘍マーカーは早期膵癌では上昇しません。
膵癌を早期でみつけるために、画像所見がいくつかあります。
①膵のう胞
②膵管拡張
③膵IPMN(粘液産生する嚢胞性病変)
④膵実質の湾入(限局性膵萎縮:CTでのみ拾い上げ可能)
この4つの所見のうち、①〜③は超音波検査で見つけることが可能です。
今回は、症例提示と以前講演会のために作成したスライドの一部を提示します。
<症例提示>
50歳代女性、心窩部痛を主訴に来院。他院で胃炎の診断(カメラはしていない様子)。
胃薬を処方されたが、改善なく当院受診されました。
痛みの具合は、10段階中7ということで、胃炎(通常、2〜4程度の強度)にしては強すぎると判断しました。
そのため、疼痛の原因は消化管ではなく、腹腔内臓器と判断し、超音波検査を追加しました。

胆嚢は腫大(壁肥厚はなく、胆嚢炎は起こしていない状態)し、内部には胆嚢結石を認めました。

総胆管は拡張しており、その下流で膵臓癌がみつかりました。

膵臓癌の大きさは、2cm大で、周辺リンパ節の腫大はなく、腸を栄養する上腸間膜動静脈との距離もあることから、
StageIbでみつかった症例です。
<講演会の際に作成したスライドを提示>





