当院では、生活習慣病の管理にも、力を入れて診察しております。
食事療法・運動療法の指導をしておりますが、改善見られない方は、内服開始の指導しております。
(もちろん、内服せずに、基準値以下をキープできればよいのですが、内服せざるを得ない方が多いと思います。)
生活習慣病をコントロールしなければいけない理由として、
もし、生活習慣病をコントロールできないと、”脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・慢性腎臓病”などの全身の動脈硬化性循環障害に繋がるからです。
長年診療していますと、
①内服拒否傾向の方が診察直後に院内で、脳梗塞や脳出血を発症し救急車を呼ぶことになった経験
②悪玉コレステロール(LDL)のコントロール不良の方で内服拒否傾向されていた方が心筋梗塞で歩いて受診し急変された経験など・・・
苦い経験が多々あります。
”内服薬ばかり出す医者はよくない”という風潮も週刊誌などでは書かれておりますが、
生活習慣の見直しでも改善が見られない方は、上記の理由から(赤文字)内服すべきと考えております。
さて、生活習慣病で通院の方には、頸動脈エコー検査を当院では推奨しております。
頸動脈は全身における”動脈硬化の窓”とされています。
検査では、プラークの有無はもちろんのこと、動脈壁の厚さを評価します。
この動脈壁の厚さが厚いほど、脳・心血管イベントが多いことが注目されています。
例えば、
①総頸動脈の厚さが、0.1mm増加すると、心筋梗塞のリスクが11%増加します。
②総頸動脈の厚さが、0.1mm増加すると、脳卒中のリスクが18%増加します。
無症状で治療のモチベーションが保てない方の、モチベーションをたかめる一助となってくれます。
さらには、甲状腺レベルまで動脈を観察するため、偶発的に甲状腺病変の発見にも繋がります。
悪性所見を疑う際は、耳鼻科への紹介も行っております。
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<症例提示>
生活習慣病に対して、拒薬傾向で、食事運動療法のみで通院されている患者。
頸動脈エコーで、狭窄率38%の動脈硬化を指摘。抗血小板薬の開始とともに、高脂血症の内服開始にご理解いただけるようになりました。


みなさん、頸動脈エコーで、自分の動脈硬化状況を確認してみましょう。