急性虫垂炎の初期は、胃の不快感から始まることが多く、その数時間後には右下腹部に移行し、発熱を呈することが典型的な経過とされています。
今回は、心窩部不快感で受診された患者に対して、エコーを用いて急性虫垂炎を診断した一例です。
当院では、腹部エコーの観察ポイントは
①膵臓、胆管、肝臓、腎臓、脾臓
②腹水の有無
③大動脈の石灰化・解離・動脈瘤の有無
④盲腸の観察
上記の4点をルーチンに観察しています。

右下腹部には、プロラプス バウヒン(バウヒン弁は時に大腸に突出しています)を認めます。

一般に、虫垂の描出はされないことが多いですが、腫大した虫垂が見えた時点で虫垂炎の診断につながることが多いとされています。
今回の症例は、8mmと腫大を認めますが、周囲の脂肪組織に炎症の波及はなく、発症初期と考えられます。
CT検査のできないクリニック・医院レベルでも、鑑別診断をしっかり念頭におき、詳細にエコーを観察すると
確定診断まで至ることができます。
来週から、超音波内視鏡検査が当院でもできるようになります。
膵臓の精密検査に有用とされます。後ほど、ホームページでアナウンスします。
膵臓に病変を抱えている方、膵臓病の家族歴がある方、膵臓に不安を抱いている方、是非検査を受けにきてください。