3連休を前に下血を主訴に来院、大腸憩室出血に対して緊急止血術した一例

大腸憩室は、様々な理由により、大腸に小部屋を多数作ってしまう病気です。

日本では、大腸憩室の保有率は増加しており、それに伴い、憩室炎や憩室出血が増加しています。

<憩室出血の特徴>

つまり、内視鏡に時間をかけて出血源を探すもみつからず、後日再出血(例えば、入院管理なら、入院中複数回出血したり、退院日に出血したりし、患者との信頼関係が悪くなることも・・・)する、いわば良性疾患でありながら、悪性的な要素をもちあわせている病気です。

今回は、当院で採用している最新型内視鏡(オリンパスEVIS X1)を使用し、RDI(出血源検索モード)モードを使用し、憩室出血に対して止血成功した一例をご紹介します。

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大量の便とコアグラ(血糊)の中、盲腸まで挿入すると新鮮血のたまり場がありました。

つまり、責任憩室が近くにある+現在進行系で動脈出血している可能性を示唆する所見です。

患者さんの命がかかる状況のため、入念に1つ1つ憩室を刺激していくと、とある憩室から動脈出血が始まりました。

動脈出血のため、一瞬で内視鏡画面は視野不良となります。

ここから、EVIS X1のRDIモード(出血源同定に役立つモード)の出番となります。

RDIにすると、脈をうちながら吹き出す動脈出血を視認できました。

動脈を高周波を用いて凝固処置を加え、責任憩室を医療用クリップで閉鎖、完全止血が得られました。