今回は便潜血反応精査のために大腸カメラを行い、見逃されやすい腫瘍を発見・その場で切除した症例です。
このSSLを見つけるには丁寧な観察と、腫瘍の特徴を知って置く必要があります。
①盲腸にわずかな粘液付着部と血管透見消失部位を確認。腫瘍が隠れている可能性があると判断し、入念に洗浄します。

②NBIモード(血管や表面構造を視認しやくする)で観察し、拡大観察を行います。粘液産生する腺管を確認。

③腫瘍の範囲を拡大観察し、電気メスでマーキングします。広範囲に広がっていることがわかります。

④平らな腫瘍は、通常のポリープ切除で使用するスネア(輪っか)では腫瘍にひっかかりません。
そのため、腫瘍の周辺を電気メスで切開し、スネアがひっかかる溝をつくってあげます。このテクニックをHybrid ESDと言います。

⑤最後にクリップで創部を完全閉鎖し終了します。処置時間はわずか8分で終了です。

当院は様々な腫瘍に対する治療実績(病変に合わせて、一番安全に速やかに治療できる処置具を用意しております)があります。
治療対象となる腫瘍を見逃さない工夫を多く取り入れております。
また、一度の大腸カメラ検査で、治療まで行うことができる施設です(もちろん日帰り)。
<当院の1年の内視鏡治療に関する合併症>
穿孔(あな):0%
切除後1週間以内の出血:0.6%(3人 / 484人)