突然ですが、外出する際や仕事・授業中に、お腹が痛くなってトイレに行きたくなることはありませんか?
院長先生もこの症状に悩まされた時期がありました。この病気で苦しむ患者さんを助けたいと、常日頃考えております。
この症状、過敏性腸症候群が疑われます。この過敏性腸症候群には4つのタイプがあります。①下痢型 ②便秘型 ③混合型 ④ガス型に大別されます。
①下痢型
・腹痛と水様便を繰り返すことが多い。
・男性に多く、ストレスが背景にあることが多い。
②便秘型
・腸が緊張状態となることで大腸の動きが弱くなることが特徴(うさぎの糞のような便)。
・女性に多く、ストレスが背景にあることが多い。
③混合型
・下痢と便秘を繰り返し起こしてしまうタイプ。
④ガス型
(A) 乳糖不耐症が背景にある場合。
乳糖を摂取した際に、ガスが異常産生される。解決策は、乳製品の摂取を回避すること。
(B)ガスを生産する食物を摂取した場合。後で紹介する低FODMAP食をご参照ください。
(C)ストレスで気づかないうちに空気を飲んでしまう病態。
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〜悩んでいる患者さんへ〜
病態・治療薬が患者さんによって異なりますので、是非ご相談いただけたらと思います。
多くの治療実績がありますので、その方にあった最善の薬を選択し、快適な生活がおくれるよう、できる限りサポートします。
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〜マメ知識〜
最近話題の”脳腸相関”について。
腸は脳のように神経ネットワークをたくさん持っており、”第二の脳”とも呼ばれています。両者は密接に影響し合っています。
過敏性腸症候群では、ストレスで誘発された腸内細菌の異常などが、腸から脳に異常信号が送られていることがわかってきました。言わば、ストレス社会が生んだ病気といえるでしょう。
ストレス由来の患者さんには驚くほどの効果があるのが、”SSRI”や”S-RIM”といった薬です。これらの薬は依存が出ない薬です。当院では、レクサプロ(エスシタロプラム)やトリンテリックス(ボルチオキセチン)をよく使用します。
ストレス由来の不安感を改善するため、性格が穏やかで明るくなり、人間関係も改善します。
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〜低FODMAP食について〜
ガスが多くて、腹鳴・腹部膨満・腹痛で困っている方は、高FODMAP食を避けてみてください。